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2014.10.20
CAST
ONLINE STORE のTOPページにて、ソードフィッシュのお気に入りの音楽を毎日更新中!
『今日のレコメンドソング』
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STORY
禁酒法時代のアメリカでつくられたマルクス・ブラザーズの喜劇映画
「Horse Feathers」で使われたことによって、
“ソードフィッシュ” は、ヤミ酒場へ出入りするための合言葉として、
当時の映画ファン以外にも広く認識されることとなった。
その古い映画を、先代店主にして私の母が見る機会はおそらくなかったと思うが、
今となっては、本当の由来を知る術は、もはやない。
ただ、私が再開してからのこの店とヤミ酒場というイメージは、
あながちはずれでもない気がしている。
夜な夜な、悪だくみが行われる場所として。
ちなみに、ソードフィッシュとはメカジキのことであって、
太刀魚(タチウオ)のことではない。
タチウオという名前の由来はふたつの説があって、
ひとつが、刀のような形をしているから、という説と、
もうひとつが、立って泳いでいるように見えるから、という説である。
いきなり話がそれたと思われただろうが、そうではない。
ソードフィッシュという言葉にはもうひとつ、
「手品師が観客の注意をそらすテクニック」という意味もあるのである。
G.K
五階建てのビルの屋上で営業中のカフェ “ソードフィッシュ” は、
ディナーの注文が落ち着くと、それ以降、ドリンクと軽食だけのバー・タイムとなる。
店主の男は汗の浮かんだ額をぬぐい、
腰のサロンをとって椅子の背にかけると、
古いオーディオの前に立って、次にかけるCDを探した。
ヴァン・モリソン 『Too Long In Exile』
ポール・ブレイディ 『Say What You Feel』
トム・ウェイツ 『Blue Valentine』
スティーヴン・ブルトン 『From The Five』
ビル・エヴァンス『Sunday At The Village Vanguard』
ニーナ・シモン 『Wild Is The Wind』
クリス・ウィートリー 『Dirt Floor』
ジョー・ヘンリー 『Scar』
リズ・ライト 『Salt』
サラ・マクラクラン 『Fumbling Towards Ecstasy』
ルー・リード『Legendary Hearts』
アストル・ピアソラ 『The Central Park Concert』
ジェフ・バックリィ 『Grace』
あるいは『Live At Sin-é』……
店主はプレーヤーの再生ボタンを押したあと、少しヴォリュームを上げた。
カウンターの端の席に座り、ブッシュミルズをグラスに注いだ。
口にした途端、鼻を抜けていく鮮烈な香り。
いつのまにか、常連客たちがいつもの席を陣取っている。
めいめいが好みの酒を自分で注ぎ、代金はテーブルの上に投げ出す。
飛び交うホラ話や自慢話。喧噪に耳を傾けているうちに、
やがて舞い降りてくる羽毛のような睡魔。
「おーい、お客さんだぞー」
テーブル席からのその声に、店主は、はっとして目を開けた。
入口に息を切らせて立っているのは、
急に押し付けられた残業を片付けて、やっと店にたどり着いたあなた。
店主は立ち上がり、笑顔をみせて言った。
「おつかれさん。なんか作るかい?」
こんな日々も、いつか終わるときが来るのだろうか。
人生を愛せよ。ソードフィッシュの夜。
サカシタ
最古参の常連で、バイク雑誌「ライド・ライド・ライド」の副編集長。
ハムカツとポテサラをつつきながら、店のテレビで夕方のすもう中継を見るのが楽しみ。
酒は好きだがそんなに強くなく、クローズ時にはたいがい外のベンチで気絶中。
世話好きな性格で、店に他の客を連れて来ることも多い。
センセイ
だいたい毎日、奥のテーブルで酔いつぶれている超・常連。
彼がツケの代金がわりに持ってくる絵は、結構な値段で売れる。
実は有名な人らしいが、ここでは誰も詮索しないので、単にセンセイという名前で呼ばれている。
バーボンを片手に泣きながら口にする名前は、奥さんと息子さんだという噂。
ギイ
“ソードフィッシュ” の店主だが、
ディナー後のバータイムは仕事らしい仕事をせず、
好きな音楽をかけながら、常連客の話に耳を傾けている。
ミチカ
ギイの学生時代の先輩で、サバサバした性格の美女。
本業はカメラマンだが、バーテンのアルバイトをしていた経験を買われて、
たまにカウンターにはいっている。
彼女が店に出る日は、早い時間からカウンターが埋まるらしい。
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ビトウ
“DANY McBAIN”プロデューサー。
身長184cm。ソードフィッシュ常連のツインタワーのひとり。
とにかくビール好きで、浴びるほど飲むが決してつぶれない。
かしこがデザインする“Judy On The Roof.”にも力を貸している。
リチャード
WEB デザイナー。
“ソードフィッシュ” のWEB サイトを手がけ、運営もサポートしている。
シルクハットとライダース・ジャケットがトレードマークの九州男児。
シロ
シルバーブランド“GRYPHON silver designs”デザイナー。
多彩な才能を持つ、ツインタワーのもうひとり。
サカシタとはまた違った人脈の持ち主で、とにかく変わった友人を連れてくる。
カレン
ヨシハルの母親。元シンガーでシャーデー似のエキゾチックな美女。
バンドのメンバーでもあった夫が出て行ったショックから、
数年経った今も立ち直ることができず、
その原因となった息子に、母親として接することができないでいる。
ヨシハルが慕っているギイに対して、複雑な感情を見せる。